ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

触れ合いが成長につながる 音楽でダウン症の子の発達促進 (2026/07/20)

2026.07.20

  • 広がる 地域の輪

おむすび321

 彦根市で活動するサークル「おむすび321」は、毎月第1、第3日曜日に河瀬地区公民館で、ダウン症や染色体疾患の子どもとその家族を対象に、簡単な楽器の演奏やダンス、体操などを通じて、心身の発達促進や機能訓練、情緒の安定や集中力の向上などを目指す取り組みを進めている。

 ダウン症の長男を育てる岩井彩峰(あやね)さん(41)が、「障害のある子が通えるような場所」と「自分が好きなことを伸び伸びと楽しくやって、やれることを伸ばしていけるような機会」を求めて始めた。

 そうした「場」でミュージック・ケア(音楽療法)という手法を使って指導するのは多賀優佳さん(38)。6月に開いた会では参加者らがカラフルなスカーフを首や頭、腰などに着けて音楽にあわせてダンスを踊ったり、鈴や太鼓など打楽器を鳴らしたり、シャボン玉遊びもした。

カラフルなスカーフを首や頭、腰などに着けて音楽にあわせてダンスを踊る参加者たち(6月21日、彦根市)

 集団に参加して他の人との関係を持ったりコミュニケーションする能力や集中力を高め、そうしたことでセルフコントロールする力を体得するのも狙い。人のやっているのを見て自分の順番を待つのも生活習慣上のトレーニングになるという。子ども同士の触れ合いが成長にもつながる。家族にとっても、子どもが他の人と触れ合うことで、成長していく様子を目で見て知ることができる。

 参加者は小学校の中高学年から3、4歳ぐらいまでと年齢幅があり、ダウン症の場合は障害の発現程度にも個人差があるので、「他の子どもさんと一緒に参加することで、ダウン症についてより知る機会になった」と話す家族もいる。

 一緒に参加している兄弟姉妹も、使用した道具の後片付けの時など散らかったものを集めてくれたり、その子のやりかたに寄り添って行動してくれたりするようになるなどの影響があるという。

 親からは「子どもがすごく楽しんでやっていることがうれしい。親のほうも『そういうことが好きなんだ』と気付かされることもある」とか、「その場では特に反応が見えなくても、後から何かの拍子に反応が出てきたりして驚かされることもある」などの声が出る。

 岩井さんは「5年前の活動をスタートしたのが偶然、コロナ禍の最中で、家族で出かけられるところが限られてきた頃だったので、貴重な外出と体を動かして楽しむ場にもなりました。それと親御さん同士のコミュニケーションや交流、情報交換や相談しあう場にもなっています」と振り返る。

 毎年秋に地域の文化祭のステージ発表に親子で参加していたが、慣れてきたので今年は子どもたちだけで舞台に上がって音楽に合わせたダンスを披露しようと計画している。「文化祭参加は子どもたちにはよい発表の機会だし、ダウン症やこうした活動を地域の人たちに広く知ってもらうチャンスにもなる。こうした機会をさらに探っていきたい」と岩井さん。「特に募集などしてないけれど口コミで参加人数も増えてきています。より広い活動場所の確保も課題かな」などと今後の展望を語っている。

「おむすび321」

2021年6月に発足し、満5年継続している。現在十数組の家族が登録し、都合に応じて参加している。年会費などはなく、必要経費をまかなうために1回の参加費を1000円としている。連絡先は岩井さん090(3035)9249