ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

バザー通し、社会のお役に

2026.08.03

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心をつなぐボランティアグループ「えんの会」代表 田中 とよさん

 女性ばかり6人でスタートした「えんの会」は、ことし発足15年目を迎えることができました。「何か社会のお役に」「だれもが平等で幸せな世の中を」。そんな思いで集まり、定例バザーの売り上げを寄付する取り組みを中心に、活動を続けています。

 数多くの方々に支えられ、今日に至りました。これからも、現会員20人全員が「次にできる支援は何か」を常に考え、行動に移していくつもりです。

 少女時代から美術工芸に親しみ、手仕事が好きだった私は、東京に出て高名な染色家のアトリエに通い染色技術を身に付けました。京都市にある夫の実家に移ったのは35歳のころです。周りから求められ染色の研究と普及を目指す「虹の会」を設立。自宅と出身地の三重県松阪市で教室を開く傍ら、美術団体に所属して大阪市立美術館に出品したり、京都市内のギャラリーで個展を開いたりしてきました。

「えんの会」定例会で会員と今後の支援先を協議する田中とよ代表(京都市下京区の自宅)

 そんな私が「えんの会」を結成したのは、京都で奉仕活動を行っていた女性団体から、脱退したのがきっかけです。「このまま終わるのはもったいない」の声をいただき、2012年に有志で新たな奉仕活動を目指しました。

 最初にご縁ができたのは、京都市右京区の児童養護施設でした。施設のバザーに参加させていただいたのを機に、私たちが独自に開くバザーで得た売り上げの一部を送らせてもらうようになりました。支援先はその後、別の児童養護施設をはじめ、DV被害者のシェルター活動団体、災害救助・セラピー犬の訓練施設、学費に悩む学生さんたちへの奨学金などに広がっていったのです。

 フードバンクの認定NPO法人「セカンドハーべスト京都」(伏見区)は、前理事長の澤田政明さんを紹介されて以来の交流です。「給食のない夏休み中に、痩せる子どもがいる」と聞いて支援を決めました。私たちの会員だった寺田バレエ・アートスクール校長、高尾美智子さん(故人)とは、キエフ(現キーウ)市と京都市との姉妹都市40周年記念行事があった際、現地で文化交流のお手伝いをしました。その縁でロシア侵攻直後のバザーでは、売り上げをウクライナ支援募金に送りました。

 支援の財源は、会員からの会費と私の自宅前駐車場で開くバザーの売り上げです。毎年春秋の2回、会員が集めた衣服や食器、食品、雑貨などを並べ10円~3000円ほどの値段で販売します。お金に限らず、大阪市西成区のあいりん地区に住むホームレスの人たちに衣類や下着を送る活動も続けています。

 会員の高齢化が進む今、後継者確保と会員増は、待ったなしの課題です。一方でバザーを、もっと魅力的な内容にすることも重要だと考えています。来場者にコーヒーの無料サービスをするなどして「あそこのバザーは楽しいよ」と言ってもらえるような変化を模索中です。

たなか・とよ

1937年、三重県松阪市生まれ。若くして東京の染色家の内弟子になり技術を磨く。結婚後、京都市の夫の実家で、染色教室「虹の会」を主宰。松阪市の教室でも長く教えた。京都で女性の社会奉仕活動団体に加わり、2012年に自ら「えんの会」を結成、バザーを通じた支援活動に乗り出す。京都市下京区在住。