ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

排泄ケアの情報発信

2026.08.03

  • ふくしナウ

《おむつフィッター》

 排泄(はいせつ)用具の情報館むつき庵では約300点のおむつ、ポータブルトイレ、尿(し)瓶それにベッドなどを展示し、排泄ケアについての相談を受けています。

 「朝にはおむつから尿が漏れていて、パジャマも濡(ぬ)れていて困っています」「トイレに行くまでに尿が漏れるのにパンツ型紙おむつを穿(は)いてくれません」など相談の内容はさまざまです。

 そんなとき私たちはおむつの使い方だけでなく、漏れてしまう原因を探ります。陰部に痒(かゆ)みがあれば痒くて掻(か)いてしまいます。すると空間ができておむつからの漏れが起こりやすくなります。もちろん他にも原因はあり得ます。トイレに行くまでに尿が漏れるという相談には、その方の身体の様子や家の環境を伺い、漏れの原因を探ります。それにより手すりや段差解消などでトイレに行くことが可能になり、おむつは不要かもしれません。また前立腺肥大症など治療が必要なこともあります。「漏れるからおむつを使う」。これは対応の一つに過ぎませんし、お互いにとって最善の解決方法とは言えないのです。

介護の予備知識になればと自費出版された「老いに伴走する排泄ケア」=提供写真

 排泄ケアにはさまざまな知識と考える力が大切だと気づき、2004年から「おむつフィッターⓇ」研修を開始しました。幸い大勢の方が受講してくださり、3級修了生は1万1000人を超えました。介護士、看護師だけでなく医師や一般の方も受講してくださり、仕事に活(い)かしたり自身の今後に活かせるという方が大勢います。認知症を抱えた妻を介護している方が研修を受講し「学んだことで妻の行動を考えながらケアを行うようになり、妻も私も楽になりました」と言ってくださいました。

 排泄ケアについて多くの方に分かりやすく伝えたいと思い、おむつフィッターⓇの講師資格を持つ方々50名と「老いに伴走する排泄ケア」という本を自費出版しました。認知症を抱えた方と脳梗塞により身体が不自由になった方を主人公にし、その方々の心身の変化とともに、それに対応するケアの知識を記述した物語のような内容です。

 本作りを通して、看護師、介護士、理学療法士ほかさまざまな職種の方々と議論を重ねることができ、これが多職種連携だと感じました。そして誰もが病を抱えた主人公を大切に考えながら、介護者の負担を軽減すると言う、その思いは同じでした。

 研修を重ねる中で受講生とのつながりが深くなり、それは思わぬ賜物(たまもの)と言えそうです。

 お問い合わせは、排泄用具の情報館むつき庵075(803)1122

(代表・浜田きよ子)