2026.08.17
2026.08.17
特別養護老人ホーム「紫野」ケアワーカー/森本大介(もりもと・だいすけ)さん(26)
京都市北区の今宮神社にほど近い場所にある特別養護老人ホーム「紫野」。ここでケアワーカーとして働いて4年目を迎えるのが、森本大介さん(26)だ。新卒で入職し、利用者の暮らしを支える仕事にいそしんでいる。
「安心、楽しい、笑顔。それが仕事でのキーワード。利用者さんに喜んでいただけたり、弾(はじ)ける笑顔が見られたりするのがうれしい」。毎日、職場に来て利用者に会えるのを、楽しみにしている。
「ユニット制」の職場で、正職員5、6人で利用者15人を担当。朝の身支度から夜の就寝まで、利用者1人ひとりの1日に寄り添うのが日々の業務だ。地域交流やレクリエーション企画などで、一緒に楽しむ時間もある。
高校生まで祖母と同居し、親族や近所の高齢者にもかわいがられて育った。地域政策に関心があり、大学では社会学部に進んだ。なんとなく福祉コースを選び、3年生の実習で高齢者施設に訪れた経験が進路の決め手となった。「実習先で出会った職員と利用者さんの関わりが、まるで家族のように見えて印象的だった」。尊厳を考えつつ、利用者が過ごしやすい居場所を作る仕事ぶりに心を動かされ、福祉の仕事をやろうと決めた。

「紫野」を選んだのは、説明会で職場の温かさに魅せられたから。「自分にとっては、人間関係や職場環境が職場を選ぶ1番の条件。フランクに接してもらい、マルシェなど地域交流を大事にしていて魅力的だった」
入職前は、排泄(はいせつ)支援や体力面、人手不足による負担などに不安もあった。「けれど、実際やってみたら、どの心配もいらなかった」。研修も充実し、休暇も取りやすく、働きやすさを実感している。
特養の特徴は、利用者の「家」になるという点だ。このため、「ここが自分の居場所」と感じてもらえるように接する。「毎日会えてうれしいです」「元気もらってます」などと言葉にして伝え、洗濯物たたみや食器洗いをしてもらったら、「助かりました」とお礼を言う。「利用者さんが役割をもてるような関わりを大切にしています」
祖母は他界したが、晩年は訪問介護・看護のお世話になっていた。「介護士さんや看護師さんが、愛をもって尽くしてくださって。家族のメンタル面まで支えてもらった経験が忘れられない」。だからこそ、利用者だけでなく、家族にも同じだけ安心を届けたいという思いがある。「大事な人を、大事にしてもらえている」と家族に感じてもらえるように心がける。
1年目は目の前の対応で精一杯(せいいっぱい)だったが、全体を見渡しながら判断できるようになってきた。今後は、「自分がしてもらったように、失敗しても肯定的に励ませる先輩になりたい」というのが目標だ。
「この仕事は、人に喜んでもらうのが好きな人ならきっとはまる。人生の一部ではなく、生きることそのものを支える仕事。これほどすてきなものはない」。そう思える介護の仕事に喜びを感じている。
(フリーライター・小坂綾子)
高齢者福祉施設 紫野
社会福祉法人京都福祉サービス協会が運営する。2005年に開設。「みんなが輝く場所、紫野」がキャッチフレーズ。特別養護老人ホームでは、医療機関と連携し、健康管理からみとり期まで、きめ細かなケアを行う。イベントを通じて地域とも交流する。京都市北区紫野西野町。