ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

竹間公園ものがたり

2026.09.21

  • コラム「暖流」

「ともに生きる」をテーマにした福祉コラムです。

イラストレーター・こどもみらい館館長 永田 萠

 こどもみらい館の窓辺で、眼下の竹間公園を見るのが好きだ。春には桜やハナミズキが咲き、夏にはクスの大木が涼しい木陰を作り、秋にはイチョウの黄色い葉が舞い落ちる。水はけのいい白い土のグラウンドでは、午前中は園児がかけっこをし、午後は低学年児童がドッジボールに歓声をあげ、夕方は5・6年生や中学生が暗くなるまでサッカーの練習をしている。地域の人たちの交流場所として、新年のもちつき大会や夏の盆踊り、秋の運動会などにも使われている。こんな多くの人に愛されている竹間公園にも厳しい試練の時代があった。

 夜間の暗い公園でのたむろや騒音。ボール遊びによるフェンスの損傷や事故への不安。特に京都市の条例では公園内の危険なボール遊びは禁止されている。フェンスの撤去も検討されたが、令和3年に事態が好転した。地域住民主体の公園運営とルール作りが可能になる「公園トライアル事業」がスタートし、竹間公園もその候補となったのだ。

 その後、令和5年に近くの御所南小学校の4年生の総合学習で竹間公園が取り上げられ、「なぜボール遊びができないのか?」の疑問が「ルールを作って守ればいいんじゃない?」につながった。すぐに竹間自治連合会が賛同し、4年生によるルール作りが始まった。彼らは学習を重ね、話し合い、「エリアと時間を分けて安全に公園を使う」などいくつかのルールを定めた提案書を作った。

 そして5年生の3月、なんと松井京都市長にプレゼンをしたのだ!準備をした自治連の皆さんも先生方も、受けてくれた市長もすばらしい。が、何より子どもたちがすごい。提案書は通り、竹間公園にはルールを記した立て看板が設置された。その除幕式と表彰式が青空のもと竹間公園で行われた時、彼らはもう6年生だった。

 今日もグラウンドに子どもたちの影が美しい。自分たちが作ったルールは自分たちで守る。それを体現する姿は、地域の宝だ。

ながた・もえ氏
出版社などでグラフィックデザインの仕事に携わった後、1975年にイラストレーターとして独立。2016年より京都市子育て支援総合センターこどもみらい館館長に就任。