ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

個性やこだわり 受け止める

2026.10.19

  • 若葉

槇島福祉の園 生活支援員/宮坂弘美(みやさか・ひろみ)さん(21)

 障害のある人が働く宇治市の就労継続支援B型事業所「槇島福祉の園」。ここで、生活支援員を務めるのは、この春に専門学校を卒業して入職した宮坂弘美さん(21)だ。社会福祉士と精神保健福祉士の国家資格取得を目指し、実務経験を積みながら、利用者を支えている。

 子どもの頃から「人と関わる仕事がしたい」と考えていた宮坂さんと福祉との出会いは、中学生のときの職業体験だった。訪れたのは特別養護老人ホーム。「おじいちゃん、おばあちゃんがかわいくて、おしゃべりが楽しくて。こんなふうに直接関われる仕事っていいな、と感覚的に思いました」

 高校時代に福祉を学ぶうち、関心は介護から社会福祉全般へと広がった。「知らずに利用できていないサービスって、たくさんある」。その気付きが、「地域福祉」への興味につながった。

 「障害のある人は、地域で暮らしている人たち」。お弁当の配達やイベントなどで地域との交流に力を入れていることや、資格取得を応援してくれることが、今の職場を選ぶ決め手になった。現在は、内職作業に取り組む利用者のサポートが主な仕事だ。

利用者の作業を見守る宮坂弘美さん(宇治市槇島町)

 知的障害のある人とは、就職してはじめて接し、戸惑うことも多かった。言葉で思いをうまく伝えられない人と話すと、「何を思っているのか、ちゃんと受け止められない自分が悔しい」と感じる。それでも、「どんな人なのかな」と考えることが楽しい。「ずっと興味を持っていられる。知りたいと思うし、人に興味がないとできない仕事だと思います」

 やりがいを感じるのは、利用者から「楽しかった」「ありがとう」などの言葉をもらったとき。作業外活動で、自分が考えたレクリエーションで楽しんでもらったときの喜びは、忘れられない。

 半年間で、知的障害のある人へのイメージも変わった。「思っていたよりみんなずっとフレンドリー。一人一人違う個性やこだわりがあって、むしろそれがいいじゃん、という気持ち。その人はその人で、他と比べるものじゃない」

 将来は、「福祉を知らない人、支援につながれない人に、制度やサービスを届ける方法を見つけたい」と考えている。「福祉の仕事には『つらい』というイメージが根強いけれど、仕事内容をきついと感じたことはない。周りは人と関わるのが上手な人ばかりで、相談しやすいし、休みも取りやすい」。働きながら資格取得を目指すことができる業界であることも魅力だと感じる。「若い人がこの仕事の魅力を知って活気が出れば、選択肢になるはず」と期待する。

 これから福祉を目指す人には、「楽しんだもん勝ち」と伝えたい。「見えている世界が違う人と関わると、自分の中の考え方だけじゃダメなんだと感じる。それは、見え方が広がるということ。人と話すのが好きな人は、福祉で働くときっと楽しくなりますよ」

(フリーライター・小坂綾子)

槇島福祉の園

社会福祉法人山城福祉会が運営する。1993年に開所。「地域で働き、地域で暮らす~ゴールは地域へ~」がキャッチフレーズ。加工作業や配食サービスなどに取り組み、余暇活動も充実。スタッフは13人で、現在38人が利用する。イベントや配食を通じて地域とも交流する。宇治市槇島町石橋。0774(20)8061