ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

病児も安心して集える場を 親子で遊び、歌、工作、仲間作り… (2026/10/26)

2026.10.26

  • 広がる 地域の輪

認定NPO法人 心臓病の子どもを守る京都父母の会「パンダ園」

 認定NPO法人「心臓病の子どもを守る京都父母の会」が京都市左京区下鴨の「京都葵教会」敷地内に園庭と建物を借り、毎週火曜日と金曜日の午前10時半から午後1時半まで運営する「パンダ園」には、心臓病はじめ病気や障害を持つ子や健常児ら15組ほどの親子が通っている。1975年の設立時は、病児が一般の保育園に通うのが難しい時代だった。法人理事長で園長の藤井友紀さん(54)は「最近の法改正などで一般の保育園でも受け入れ可能になってますが、可能な園の数はまだ不足している。現代は年齢の小さい時から治療が始まるので、ここは治療を続けながら通う子もいて、就学前までは受け入れてます」と言う。

 園では保育士4人と一緒に親子でそれぞれがしたい遊びをし、歌やダンス、工作なども楽しむ。遠足やプール遊び、クリスマス会など季節ごとの行事を催し、園庭や近くの鴨川河川敷や体育館などで運動やスポーツも体験、理学療法士のアドバイスも得て療育的な遊びもしている。藤井さんは「遊びは自己表現やコミュニケーションを体験し、親子での仲間作りにもなる。京都葵教会のバザーにも出店したり、家庭から広がりのある場にと思ってます」と話す。

カラーボールなどで自由に遊ぶ子どもたち(京都市左京区)

 力を入れているのが、参加者皆で食卓を囲む、ボランティアの手作りランチ。病児にとっては体力をつけるためにも食べることは大切。偏食を直したり、「手を洗う、大声を出さない、食べながら歩き回らない」など食事マナーも身につけられる。食に興味がなかったり少食の子も、皆で食べることで食が進む。ボランティアらは、栄養バランスや季節感も大切にし、お母さんが普段家で簡単にまねできる料理を中心にメニューを考える。入院している親子に「応援弁当」を届けて支えることもある。

 母親からは「うちの子は酸素確保が必要なので、自宅で過ごしていたんですが、こちらに来て集団に入って遊べ、楽しそうにしているし、私自身もリフレッシュできてます」「他の親御さんとも話せ、給食も親子で楽しみにしています」などの声が出る。近所に住む健常児の母親は「雰囲気が温かいのでホッとできる」と通う。生後3カ月の乳児を連れて参加していた母親は年以上前の卒園児。卒園後にボランティアになる人もいるほど人間関係も広がる。

 運営を下支えしているのが中高年女性が多いボランティアら。給食調理に約15人、機関誌作りに10人ほどが協力し、通園かばんを手作りするなど貢献している。折に触れて保護者の交流会「パンダcafe」も開き、子育ての先輩に相談したり、講演会や、防災勉強会をオンラインで開いたりもする。

 家族や姉妹兄弟も支え合い、卒園後には「ティーンズパンダ」というOB・OGの会もある。メンバーは北海道から九州まで広がり、オンラインなどで進学や就労について情報交換したり交流を続ける。就労では、心臓病などの場合「外見からは分かりづらく、普通に接してもらえるのはいいけれど、本人が無理することもあり、難しい部分もある」という。病気を抱えていても合理的な配慮を得ながら、どう働いていけるのか、実際に就労を受け入れる事業所を訪ねるなど勉強会を開いたりもしている。

(ライター・山本雅章)

認定NPO法人心臓病の子どもを守る京都父母の会「パンダ園」

京都父母の会は1965年に発足。2018年にNPO法人化、22年に認定法人に。法人への寄付は税制優遇措置の適用あり。保育料無料。正会員はじめ賛助会員、サポーター会員も募る。075(712)5949。メールアドレスpandadeasobo@gmail.com