ともに生きる [TOMONI-IKIRU]

京都新聞福祉賞・福祉奨励賞

功績の著しい個人団体、活躍が期待される若い世代の個人団体を顕彰

 京都、滋賀の福祉の向上に功績があった個人、団体に贈呈します。京都新聞社会福祉事業団設立時(1965年〜)の「京都新聞社会福祉功労者表彰」を前身に、名称を変えながら継続している事業です。2022年度からは、1994~2002年度に贈呈していた「福祉奨励賞」を復活させ、「京都新聞福祉賞」「京都新聞福祉奨励賞」として実施しています。京都府、滋賀県で地域福祉の向上に著しい功績のあった個人または団体に「福祉賞」、今後の活躍が期待できる活動歴が10年未満の若い世代の個人または団体に「福祉奨励賞」を贈り顕彰し、新聞紙面などで紹介します。福祉賞と奨励賞の贈呈は各2件程度を予定し、副賞として福祉賞は個人20万円、団体30万円を、奨励賞は個人、団体ともに10万円を贈ります。新聞紙面などで推薦を募り、選考委員会で審議します。これまでに奨励賞を含め個人192件、団体74件の合計266件(2024年度時点)を表彰しています。

2024(令和6)年度の受賞者

2024年度の受賞者(2025年1月27日・贈呈式 京都新聞文化ホール)

京都新聞福祉賞】(1個人、1団体)

篠澤 俊一郎 氏(44歳、花園教会水族館館長、NCMジャパン京都事務所代表、京都市)

2010年に自閉症の子どものためにと、子ども支援ジョイフルクラブ(花園ジョイフル子ども会)を設立。共働き、ひとり親家庭、生活保護世帯の子どもが安心して話せる・意思疎通ができる場を創出されました。居場所を通じて、子どもへのヒアリングを行い、貧困や親子間の意思疎通の欠如から生まれるDV・児童虐待などの早期発見と通報に繋げるために、2012年に花園教会水族館を創設。子ども会を発足し、自立心を持った子どもが増え、様々な年齢・性別・立場の人達との出会いを通じて視野を広げられています。2018年には、NCMジャパン京都事務所を設立され、より貧困家庭への直接的な支援活動を展開されています。主な活動は、行政サービスが低下する土日に開催され、家に居ることが難しい子どもを中心に、様々な家庭事情の子どもたちが集い、20歳までの子どもや青年に門戸が開かれています。

社会福祉法人京都いのちの電話(理事長 安保千秋、京都市)

1982年に開局され、1985年から24時間365日眠らぬダイヤルとして活動を42年間続けられています。同法人に寄せられた2023年度の相談件数は18,051件で、開局以来の相談件数は今年5月末時点で877,739件にのぼります。相談のうち、約13%が「自殺傾向」にある方からで約70%は心の不調や病を訴える内容です。長引くコロナ禍や物価高騰により生活困窮や孤立・孤独など地域課題が浮き彫りになっている社会の中で、24時間いつでも、どこからでも、話を聞いてもらい、相談できる窓口が開設されていることは、生きる希望を見つける支えとして大きな役割を果たしています。こうした相談を第一線で支えているのはボランティアの相談員で、「何か社会に貢献したい」「小中学生の自殺をとめたい」等の思いから相談員になられた方は、一千時間、二千時間と電話の声に耳を傾けておられます。今後、ますます大きくなる役割が期待されます。

社会福祉法人京都いのちの電話ホームページ

京都新聞福祉奨励賞】(3団体)

レモネードスタンドPhilia(フィリア)(代表 稲田莉子、京都市)

同志社大の学生を中心に小児がん支援のための募金活動に取り組む任意団体。小児がんと向き合っている子どもたちを支援するためにレモネードを販売する「レモネードスタンドPhilia(フィリア)」を立ち上げ、現在は、他大学からの仲間を迎え26名で活動されています。京都市内の大学生、院生の仲間を募集しながらレモネードスタンドを開催し、350円以上の募金をされた方に、レモネード1杯をお渡しし、売り上げから材料費を除いた全ての金額を、小児がんの子どもたちの支援のために寄付されています。また、販売と同時に小児がんについて知ってもらうための啓発活動にも取り組んでられます。団体を立ち上げた稲田代表(岡山県出身)が高校2年生の時に小児がんを発症し、約1年にわたる闘病生活の中で、担当医から絵本「ぼくはレモネード屋さん」を紹介され、この本と出会ったことをきっかけに、小児がん支援のための活動について知り、2021年に同志社大に入学し、3回生のときに「私たちにできることはないか」と考え、学生ボランティア団体を立ち上げられました。

レモネードスタンドPhilip Instagram

NPO法人コミュニティ・スペースsacula(代表理事 木村友香理、京都市)

居場所や相談サポートを通じて子どもや若者が【挑戦する理由】や【できること】をみつけ、色々な『達成』や『経験』ができる世の中を目ざして、2016年にコミュニティ・スペースsaculaを設立。若年女性の自立サポートシェアハウス【サクラソウ】、若者の就労サポートの【すずなりランタン】などの活動を行い、公的機関との連携・協力をしながら、多くの子ども、若者、その家族と関わられています。京都市内に2カ所の拠点をもち、毎月第3土曜日は、下京区・すずらん子ども食堂、第1日曜日は、西京区・ひまわり食堂をはじめとする活動を行われており、居場所をはじめとした様々な事業を展開されながら、子どもや若者の孤立や困窮、引きこもりや就労などの今日的な課題にも個々に丁寧に向き合われています。おばんざいが食べられるカフェバーを運営し、食事で利用した人がカフェ会計に+100円することで食のサポートギフトカレーとなり、若者が無料でカレーを食べることができる寄付の見える化にも取り組んでられます。

コミュニティ・スペースsacularホームページ

NPO法人Reframe(代表理事 朝倉美保、京都市)

不登校の子どもの低年齢化する中で、居場所がない子どもが増え、朝倉代表の友人の子どももコロナ禍で不登校になり、実際に「居場所がない」との声を受けて2021年に団体を設立。当時、京都市内では、平日毎日開いている居場所はなく、フリースクールも高額で利用したい人が利用できない状況にあったため、低料金でいつ来てもいつ帰つても良い画期的な自由な居場所を作られました。利用者のほとんどが不登校な子どものため、学校連携により利用日を出席認定してもらっています。居場所では、その事例がなかったため、出席認定に躊躇された校長もおられたが、面談をして信頼を得られ、今では15校の小中学校で認定された実績があります。2023年には、一つ目の居場所では馴染めず辛い思いをしている子どもが安心して過ごせる居場所づくりにも取り組んでおられます。年々利用者は増加し、2023年度では2,606人が利用し、居場所を主軸に子ども食堂や体験活動などさまざまな取り組みをされています。

NPO法人Reframeホームページ

2025年1月27日(月)に京都新聞文化ホールで贈呈式を行いました。

2025年1月26日(日)付 京都新聞朝刊 5面「受賞者の紹介」

選考委員会は2024年12月4日(水)に開催しました

 本年度の京都新聞福祉賞と福祉奨励賞の選考委員会を2月4日(水)、京都市中京区の京都新聞社で開催し、福祉賞に1個人と1団体、奨励賞に3団体の計5件の受賞を内定しました。
 本年度は両賞で計29件の応募があり、同志社大教授の小山隆さんを委員長とする5人の選考委員に審査していただきました。
 委員は他に、真宗大谷派僧侶の川村妙慶さん、NPO法人滋賀県社会就労事業振興センター理事長の城貴志さん、京都市子育て支援総合センターこどもみらい館長の永田萠さん、一般社団法人京都障害者スポーツ振興会副会長の森田美千代さんに務めていただきました。

★2024年度の推薦の受け付けは終了しました

 京都新聞社会福祉事業団設立60周年を機に、2024年度から当事業団単独主催から京都新聞との連名主催になりました。

主催 京都新聞・京都新聞社会福祉事業団

推薦受付 2024年9月25日(水)~11月8日(金)

選考委員会(外部有識者による) 12月4日(水)午後2時〜4時 京都新聞ビル会議室

贈呈式 2025年1月27日(月) 京都新聞文化ホール

◇「京都新聞福祉賞」「京都新聞福祉奨励賞」の推薦募集

 福祉の向上に大きく貢献、寄与した個人または団体に贈る「京都新聞福祉賞」と将来、福祉のリーダーとして活躍が期待される若い世代の個人・団体に贈る「京都新聞福祉奨励賞」の候補者・団体の推薦を募ります。

◾️京都新聞福祉賞

対象 京都府、滋賀県内に在住、在勤もしくは活動拠点があり、長年にわたり社会福祉の向上のために大きく貢献、地域福祉の向上に大きく寄与した個人または団体で活動年数は10年以上 

◾️京都新聞福祉奨励賞

 京都府、滋賀県内に在住、在勤もしくは活動拠点があり、将来、福祉のリーダーとして活躍が期待できる活動歴が10年未満の若い世代の個人または団体

選考 学識経験者らによる選考委員会を設けます

表彰 各賞2件以内とし、賞状と副賞(福祉賞=個人20万円、団体30万円、福祉奨励賞=10万円)を贈呈します

推薦方法 所定の推薦書に記入し、候補者・団体の資料を添えて提出してください。推薦は1団体につき、各賞1件までとします。

推薦書類

下記、推薦書(自薦も可)に記入し、候補者の資料を添えて、2024年11月8日(金)必着で提出してください。★2024年度の受け付けは終了しました

提出・お問合せ先

〒604-8577 京都市中京区烏丸通夷川上ル 京都新聞社内

京都新聞社会福祉事業団「福祉賞・福祉奨励賞」係

電話番号 075(241)6186

2023(令和5)年度の受賞者

2023年度の受賞者(2024年1月31日・贈呈式 京都新聞文化ホール)

【京都新聞福祉賞】

対象 京都府、滋賀県内で、長年にわたり社会福祉の向上のために大きく貢献、地域福祉の向上に大きく寄与し、この分野で功績が著しい個人または団体

 2023年度は、障害のある人や非行少年らの就労と自立支援に尽力された松浦一樹さん(NPO法人ENDEAVOR EVOLUTION理事長)=写真=と、薬物やアルコール依存症、摂食障害などに苦しむ女性のための支援活動に取り組む「NPO法人リバティー・ウィメンズハウス・おりーぶ」の1個人1団体が受賞されました。

【京都新聞福祉奨励賞】

対象 京都府、滋賀県内で、福祉の各分野でおいて将来、福祉のリーダーとして活躍が期待される若い世代の個人または団体

 2023年度は、同じ経験や悩みを抱えた人たちが、不登校児のきょうだいを支援する「こころ停留所」、就学前の外国籍の子どもたちのための日本語教室を開催する「りんぐえっじ」(写真)、障害のあるなしに関わらず多様な子どもたちが参加する合唱隊で演奏を通して活躍する「ホワイトハンドコーラスNIPPON京都チーム」の3団体が受賞されました。

過去の受賞歴

2023(令和5)年度 京都新聞福祉賞・福祉奨励賞

2022(令和4)年度 京都新聞福祉賞・福祉奨励賞 ※2022年度から1994~2002年度に贈呈していた「京都新聞福祉奨励賞」を復活

2021(令和3)年度 京都新聞福祉賞

2020(令和2)年度 京都新聞福祉賞

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