2025.09.29
2025.09.29
みんなで海釣り―障害のある人の体験講座
「みんなで海釣り―障害のある人の体験講座」(主催・京都新聞社会福祉事業団、神戸新聞厚生事業団)が13、14の両日、宮津市で開かれた。京都、滋賀、兵庫の3府県から介助者を含め56人が参加、ボランティアら114人も加わり、府立海洋高校桟橋で多種類の魚を釣り上げだ。同講座は自然の中で伸び伸びと野外活動を楽しんでもらおうと1998年から開かれている。
13日は、同市の府立青少年海洋センター・マリーンピアで開講式があり、府立海洋高校生が講座「〇〇の不思議」を開き、実習などを通じて学んだ岩ガキと海ごみ、ナマコの3テーマで話した。岩ガキは、実際に経験した採苗器を使った作業や市場に「上場」するまでの流れなどを発表した。海ごみでは発泡スチロールやマイクロプラスチックが海洋と生物に与える悪影響を指摘。ナマコは生態や生物的特徴、食品としての歴史を紹介した。
夜には釣りインストラクターの釣り講習があり、魚の釣り方や危険な魚の見分け方、救命用具のつけ方などを学び、本番に備えた。
14日朝には海洋高に移動し、雨の降る中で約50人の海洋高生・教職員に加えボランティアらが釣り道具や仕掛けの準備を整え、参加者は、雨具の上や下にそれぞれ救命胴衣をつけて桟橋で竿(さお)を並べた。

釣果は例年より良く、午前9時の釣り開始時から比較的大きなキジハタやガシラ、チヌなどが次々と釣り上がり、桟橋のあちこちで歓声が上がった。
海洋高生と京都府磯釣連合会会員らは、参加者の様子や上がる魚の種類に目を配りながら、餌をつけたり、魚を網ですくって針をはずすなど介助に取り組んだ。
電動車いすに座り雨具をすっぽりかぶって挑戦していた京都市伏見区の土井孝浩さん(40)は何度も参加して慣れた様子。「この程度の雨は気にならない。釣りはやっぱり楽しい」とカマスなどを釣り笑顔だった。山科区から参加の西村宰(つかさ)さん(24)・ちとせさん(62)親子は、ボランティアの手助けで大きなアコウを釣り上げ、重量の部で表彰も。「アジも20匹以上釣れ、釣れた時のわくわく感や手応えがおもしろい」と話した。

京都府磯釣連合会の澤近公次郎会長(58)は「今年はアジやカマスの釣れ具合がよかった。アコウやキジハタも形のよいものが揚がった」と全体の釣果を評価していた。表彰式では獲物の計量と採寸結果に従い上位入賞者に釣りざおなどの賞品が贈られた。
主な協力団体は次の通り。
【後援】京都府、宮津市、宮津市社会福祉協議会、KBS京都
【協力】日本釣振興会近畿地区支部・京都府支部、全日本釣り団体協議会、京都府磯釣連合会、MFG、GFG、京都府漁業協同組合、訪問看護ステーションふぉすたあ伏見
【協賛】アサヒフーズ、がまかつ、東レ・モノフィラメント、ハヤブサ、マルキュー、マルゴ
