コラム「暖流」

2025.06.23
カラーレスサチュレーション
平等院住職 神居 文彰
物理的臭気ではなく作品から醸しでる香気である。むかし読んだ米芾(べいふつ)を主人公にした美術漫画の影響であろう。楽器の描写があれば音が身体を駆け巡るイメージである。徽宗(きそう)帝のように芸術∨社会ではないにせよ、白洲正子のように美しいものに…

2025.06.16
令和の米騒動
問題発言で辞職した江藤拓氏に替わって小泉進次郎氏が農林水産大臣となった。小泉大臣は、コメの店頭価格を「5㌔2000円に下げる」とし…

2025.06.10
やり返さない生き方
真宗大谷派僧侶 川村 妙慶
「なぜ人を殺してはいけないのですか?」。そんなメールが私のもとに届きました。私は、すぐに答えず、「あなたはどう思いますか?」と問い返し…

2025.05.26
地域で支える縁の下
もみじヶ丘病院院長、精神科医 芝 伸太郎
当事者を地域で支える図表で、当事者を中心において、そのまわりに円形に支援者を配置するものがよく使われます。支援者としては「ケアマネ」「保健所」「家族」「市役所」「民生委員」「福祉施設」「医療機関」等が並べられ…

2025.05.19
介護しているのは誰か!?
立命館大名誉教授 津止 正敏
今年の厚労省の国民生活基礎調査が6月5日を基準日にして実施される。福祉行政の基礎資料を得るために行われる基幹調査だが…

2025.05.13
「知足」のこころ
僧侶・歌手 柱本 めぐみ
あるお寺の掲示板に「本当の豊かさとは、足るを知ること」と書かれているのが目にとまりました。法座でもよく使われる「知足」ということばは、さまざまな欲をもつことによって苛(さいな)まれながら暮らしている私たちにとって…

2025.04.28
コロナの傷あと
ACT-K主催、精神科医 高木 俊介
政府コロナ対策分科会の経済系委員である大竹文雄氏は、「コロナ対策は専門家だけで決められる問題ではなかった。日本は科学信仰が強すぎる」と…

2025.04.22
かわいい子には
イラストレーター・こどもみらい館館長 永田 萠
あれは春休み中の東京行き新幹線の自由席車両でのことだった。姫路の仕事の帰りで、ホームも車内も人でいっぱい。なんとか2人席の通路側の席に座れたが、新大阪駅でも乗客の方が空席よりも…

2025.04.14
色と命の営み
平等院住職 神居 文彰
パリと東京で交互に開かれてきた「ロレアル色と科学と芸術賞」の授賞式が2003年に京都で初めて開催され、私も出席していた。モルフォ蝶(ちょう)の耀きや回転独楽(こま)の錯覚、釉薬(ゆうやく)の変化など…

2025.03.31
「社会保険」の意義
弁護士 尾藤 廣喜
今年1月、2年間にわたって高額医療費の患者負担上限を3段階で引き上げるという問題が浮上した。この制度は、医療保険の自己負担額が一定の額を超えた場合、超えた額を保険から…